その3
属性とは?

  • 教授
     では次に属性について話すのじゃが…。
     二人はこの図を見たことがあるかの?
  • チーくん
     僕知ってるよ!
     属性円環図でしょ!
  • テンちゃん
     私も知っています。
     確か、魔術の基本要素である属性を現した図ですよね?
  • 教授
     よく勉強しておるな。
     そう。この図は属性円環図と呼ばれており、魔術の基礎となる六大基礎属性と、それを支える二大補助属性を併せた八大属性を円環状に配置した図式じゃな。
     描かれているのは属性を象徴する属性記号。これは、今から1000年も前に書かれた魔術について書かれた本に載っていた図なのじゃよ。

     ではまず、六大基礎属性について話していこうかの。
     この六大基礎属性じゃが、何があるか知っておるかの?
  • チーくん
     確か…。

     火と水と…えーっと…。
  • テンちゃん
     火、水、岩、草、風、雷、ですよね?
  • 教授
     テンちゃん正解じゃ!
     そう。六大基礎属性に分類されるのは、
    火属性
    水属性
    岩属性
    草属性
    風属性
    雷属性

    の6つじゃな。
  • チーくん
     そうだった!
     で、この属性を使って魔術を発動するってことだね!
  • 教授
     そういうことじゃな。
     ちなみにこの六大基礎属性じゃが、個人個人で得意とする属性が違うのじゃよ。
  • テンちゃん
     それはどういうことですか?
  • 教授
     人にはそれぞれ、得意とする属性がある。
     例えばワシが最も得意とする属性は岩属性じゃな。
     じゃが、最も、と言ったのには理由があっての。
     それは、他にも得意とする属性があるからなのじゃよ。
  • チーくん
     あ!思い出した!
     主属性副属性だ!
  • 教授
     お、よく知っておるのチーくん。
     その通り。人にはそれぞれ、扱いを最も得意とする属性である主属性。
     そして、主属性の次に扱いを得意とする属性である副属性があるのじゃよ。
     主属性は必ず一人一つのみ持っておる。さっきも言ったように、わしの主属性は岩属性じゃ。
     対して副属性は、最低で一つもなく、最高で二つと、人によって個人差があるな。わしは副属性を一つ持っており、それは火属性じゃ。
  • テンちゃん
     この主属性や副属性は自分で選ぶことができるのでしょうか?
  • 教授
     これも、総魔力量や魔力回復速度と同じで無理じゃな。
     生まれつき違っており、人によって一つだけだったり、三つだったりと異なっておる。
     また、六大基礎属性は生まれつき持ったもの以外に増やすことはできないの。

     ちなみにじゃが、自身の属性の判別には国際魔術省が行っておる、属性判別テストを行えば知ることができるぞ。
  • チーくん
     つまり六大基礎属性は魔術を使う上で基本となる属性で、生まれつき持っている属性の種類や数は違うんだね!
  • テンちゃん
     では二大補助属性とは何でしょう?
  • 教授
     二大補助属性とは六大基礎属性とは違って誰もが両方とも持っており、また得意不得意もない属性であり、
    地属性
    天属性
    の二つが存在しておる。
     これは、魔術を行使する上で魔力量を抑えたり、威力を向上させたりする役割を持っておるな。
     特に、皆が普段病院などでお世話になっているであろう治療魔術は、この二大補助属性を用いた魔術なのじゃよ。
  • チーくん
     地属性って、岩属性と違うの?
  • 教授
     これは、結構よくある間違いなのじゃよ。
     地属性と岩属性は確かに似ておるが、実は全くの別物でな。
     地属性というのは地面を司る属性ではなく、衰退を司る属性なのじゃよ。
     この衰退とは、魔力を抑えるという意味であり、魔術を使う際には欠かせない要素なのじゃよ。
  • テンちゃん
     では天属性は?
  • 教授
     天属性は、活性を司る属性じゃな。
     この活性とは、魔力を増やすという意味であり、地属性と同じく魔術には欠かせない要素じゃな。

     それでこの二つがどうして欠かせない要素かというと、先ほどテンちゃんが言った「チーくんはテンちゃんよりも魔術師の才が劣る」という話に関わってくるのじゃよ。
     ではその内容について次の、魔術の発動とは?、で解説させてもらおうかのう。