その2
魔力とは?

  • 教授
     では、魔力について話していくぞ。
     いきなりじゃが問題じゃ。
     魔力とは魔術や魔法を発動するために必要な要素であるが、その魔力はどうやって作られていると思う?
  • テンちゃん
     魔力はどうやって作られているか…?
     うーん…脳で作られている…とかですか?
  • チーくん
     魔力…?
     わかんないよ教授!
  • 教授
     ほっほっほ!実はチーくんが正解なのじゃよ。
  • チーくん
     ほんと!?

     やったー!
  • テンちゃん
     流石チーくん!
     でもわからないというのが正解とは、一体どういうことですか?
  • 教授
     うむ。正確に言えば諸説ある、というべきかの。
     魔術に関しては未だに解明されていない部分も多いからのぅ。これが正解、というものは実はないのじゃ。
     じゃが、一つ確実なことがある。それは、魔力の素となる物質のことじゃ。
  • テンちゃん
     あ!わかりました!

     マナのことですね?
  • 教授
     正解じゃ!
     マナとは、この世界のありとあらゆる物質に内包されておる物質のことじゃ。元素のひとつとも言えるな。
     マナは生物はもちろん、水や土、果てには空気にも含まれており、食事や呼吸などを行うことでマナを摂取することができるのじゃ。
     その後マナは体内に蓄積され、魔力へと変換されていくわけじゃな。
     このマナが魔力へと変換されていくメカニズムがどういうものか、という答えが未だ見つかっていないというわけじゃな。
  • チーくん
     なるほど!

     つまり魔術を扱うためには、食事や呼吸でマナを吸収し、それを体内で魔力に変換。
     それを用いて魔術を使うってわけだ!
  • 教授
     そういうことじゃ。
     ちなみに、生物が体内に蓄積しておける魔力量、総魔力量には個人差がある。
     この総魔力量が満タンの状態でマナを摂取した場合、マナは魔力に変換されることなく、マナのまま体外に排出されるというわけじゃな。
  • テンちゃん
     そう言えば、魔力を回復する速度というのにも個人差があると聞きました。
  • 教授
     その通りじゃ。
     蓄積量に個人差があるように、マナを魔力へと変換する速度。
     俗にいう魔力回復速度にも個人差があるな。
     例えば、チーくんとエンちゃんの総魔力量がどちらも100だったとしよう。
     そして、魔力量が0の状態から回復するまでの時間は、チーくんが1時間であるのに対し、テンちゃんは30分といった具合じゃな。
  • テンちゃん
     総魔力量や魔力回復速度に個人差があるから、魔術師にも差が出てくるというわけですね。
  • チーくん
     ならさ、総魔力量や魔力回復速度を向上させれば僕はテンちゃんに追いつけるってこと?
  • 教授
     実はそれは無理な話なのじゃ。

     総魔力量や魔力回復速度は生まれつきのものであり、それを変えることはできない。加齢によって総魔力量や魔力回復速度が落ちていくこともありはするが、少なくともそれらが増えることは現在ではありえない話なのじゃ。
  • チーくん
     えーっ!?
  • テンちゃん
     だったら、さっきの話の仮定においては、チーくんは私よりも魔術師の才能が劣ると言うことですか?
  • 教授
     ほっほっほ。実はそれもまた違うんじゃな。
     それには、魔術を発動する際の容量の有効活用の必要があるのじゃが…。
     その前に、まずは属性について話すとするかの。